S夫人の事件簿


ついに、この人を出してしまおう。
何度も、ネタにしようと思っていた、個人レッスンの美人奥様「Sさん」。
この方は、私が知る人で頂点を極める「天然」です。
こんなに会話がかみ合わない人は、今まで生きてきて、初めての事。
なぜ3年もの間、この人を出さなかったのかと言うと、
お子さんが、有名な人なので、もしこれを見られたら…という事で隠しておりました。
しかし、PCを持っていないという事が分かり、ちょっとだけ公開しちゃいます。
もう毎週がネタの宝庫です!!。
毎週毎週、彼女は普通に…、私は大爆笑!!。
コロコロ話が変わるし、こんな人いる??という感じです。
では、「S夫人の世界」をお楽しみください…。






★S婦人の事件簿vol.1★
S婦人節

「先生、お久しぶりですわね」
「そうですか?先週もお会いしましたよね」
「そうだったかしら?。そうよね、お会いしたわよね。」
「毎週水曜日はお会いする日ですよ」
「先生、ヨロン島にいらしたんでしょう?」
「ええ。」
「言葉はどうされたんです?」
「言葉ですか?、ヨロン島は日本なんで日本語で…」
「お食事はどうされたんです?」
「まあ、ホテルですから、何とでもなりましたけど…」
「寝る時はベッドで??」
「そうですね。ベッドでした。」
「あらやだ、どんな格好で寝たんです?」
「どんな格好??。まあTシャツに短パンみたいな…」
「ほら、最近、黒酢が、はやってるでしょ。先生も飲まれるんでしょ」
「いや、黒酢は飲まないですけど…」
「だってほら、私、トマトがダメでしょ!。」
「Sさんって、トマト、ダメなんですか?」
「トマト、トマトって、先生、そんなにお好きなの?」
「いや、別に、好きとかキライとか言っているわけじゃ…」
「ははは〜、おっかしい〜、もう笑っちゃうわよ!!」
「お、おかしいですか??。な、何が??」
「せんせ〜って、面白い人ね。」

もう、はっきり言って訳がわからない!!。しかし彼女はとっても楽しそう!。教えていても、私の言っている事は全く伝わっていないと思うが、不思議と、上手には、なってきている…。




★S婦人の事件簿vol.2★
FAX

パソコンに向かう夜の10:00、一本の電話が…。
「はい、あらいです」
「あら、出ちゃったわよ」ガチャん!!。ツーツーツー…。
そして2〜3分後…、また電話が。
「はい、あらいです」
「あらやだ、また出たわよ」ガチャん!!。ツーツーツー…。
なんだ、この電話は?、一体…。
待てよ、今の声、どこかで…。

そしてまた2〜3分後、電話が…。
「はい」と出ると、「ザー」と、FAXの通信音。FAXを受信すると…。
しばらく、真っ白の紙…。すると、その真っ白の紙の中央に、カタカナで「ココロ」
という文字が書いてある。
「な、なんだこりゃ??。ココロって何??」

すると、またしても電話が…。
出るとまたしてもFAXの通信音。受信すると…
出てくる紙はまたしても真っ白。今度は、いつまでも真っ白。
…とページの最後の最後にカタカナで「ココロ」と書いてあり、それで終わり。

すると携帯に電話が。
「もしもし、私の声、聞こえてます?」
「はい、聞こえてますよ。」
「もーヤダわ〜、私ったら、ほら、今日、FAX買ったでしょ」
「その声はもしかして…」
「送ってみたのよ。届いたかしら。はははは〜。あら、いやだ、私Sです。ほら水曜日の!!。」
「やっぱりSさんですね。FAX買われたんですか?」
「せんせー、車に乗ってらっしゃるでしょ。」
「えっ?車?ええ乗ってますけど…」
「タイヤは何?、ヨコハマ??」
「は?、タイヤのメーカーですか?、何だろう?よく分かりませんけど…」
「ヨコハマになさい」
「ヨコハマですか?」
「そうよ、ヨコハマになさい。」
「何でヨコハマ?。それより、さっきの「ココロ」って何ですか?」
「先生も夜更かしは身体にドクですよ。」ガチャん!!。ツーツーツー…。
「えっ、え〜〜〜???」

翌日プールでお会いした。
「Sさん、夕べのFAXは、なんだったんですか?」
「あらやだ、先生、何でFAX買った事知ってらっしゃるの??。」
「だって、昨夜、延々と…」
「きっと超能力だわ。近頃そういう人いるのよね。」
「いや、だから、昨夜Sさん、うちに電話してきて…」

まあ毎週毎週、驚きの連続なんですが、これには参りました。しかし気になる…。『ココロ』ってなんだ??。



★S婦人の事件簿vol.3★
電話

S婦人から電話が…。
風邪をひいたらしく、ひどい声。今週の水曜日はお休みするという…。しかし、今週の水曜日は元々お休みの日で、先週、何度も何度も「来週はお休みですよ」と言ったのである…。

「あ、もしもし…」
「私が誰だか分からないでしょうね。」
「Sさんですよね。ひどい声ですね。」
「何で分かったのかしら?。超能力だわ…。実は風邪をひいたので、今週の水曜日は、お休みします。」
「あ、Sさん?。今週の水曜日は、お休みの日ですよ。」
「あら、どうして?。」
「先週も言ったじゃないですか!!。まあ、私のお休みという事で…。」
「都庁に行かれるの?」
「えっ??、都庁???…。いや、都庁には行きませんけど…。」
「じゃあ、どちらに?」
「まあ、いいじゃないですか。どこにも行かないかもしれないし…。」
「先生、お習字は時間がかかるわよ…。すっごくね。」
「お、お習字??。ですか…?」
「じゃあ、おやすみなさい。」
ガチャン!!。ツーツーツー。

相変わらず、すごい会話でした…。




★S婦人の事件簿vol.4★
好きな色

S婦人は、「ムラサキ」がお好きとみえて、いつも「ムラサキ」が入っている。
洋服でも、カバンでも。水着も…。いつもどこかに「ムラサキ」がある…。
そこで…。

「Sさんって、ムラサキがお好きなんですね!!」
「いいえ。私は、うすい青が好きなんです。」
「え〜っ!!。うすい青が好きなんですか??」
「もう、昔っからなのよ!!。ははは〜。」
「でも、水着もキャップもゴーグルも、ぜ〜んぶムラサキですよね。」
…と、S婦人は、自分の着ている水着を見て…。
「あらやだ、ムラサキだわ!!。ほ〜んと!!。ははは〜。」




★S婦人の事件簿vol.5★
沖縄

この日は、台風でもないのに、すごい雨…。

「今日は、すごい雨ですね。」
「台風が来たらプールも全滅ね。」
「プールが全滅??…。大丈夫ですよ。台風くらい…。」
「先生は、”台風慣れ”してらっしゃるから、いいわよ!。」
「えっ、僕が台風慣れ??。台風に慣れてなんかいませんよ!!。」
「沖縄の人は、台風なんてへっちゃらじゃない。」
「あのう、前から何度も言ってるんですけど、僕は沖縄の人じゃなくて…」
「じゃあ、やっぱり先生は、めん類がお好き?」
「じゃあって…。めん類ですか??。まあ好きですけど…」
「そうなのよね。うちの主人も、めん類が好きなのよ…」
「ご主人、沖縄の方なんですか?」
「いいえ、東京ですけど。」
「え〜〜っ??…」

いまだに私を沖縄出身だと思っていらっしゃるようです…。






★S婦人の事件簿vol.6★
水着

S婦人ネタは尽きない…。本日、風邪が治らず、3週間ぶりにお会いしたS婦人。そこで…。

「Sさん、お久しぶりですね。風邪はいかがですか?」
「もう全然治らなくて…、4日かかったわ…。」
「えっ!!。4日ですか?」
「4日じゃないわよ、15日かかったわ・・・」
「えっ、15日ですか?」
「もうや〜ね〜。15日じゃないわよ、3週間くらいかかったわね。」

う〜ん、いつもの調子。本日、S婦人は、またまた新しい水着を着てきた。しかし、なんと、おへそも出てしまうセパレーツ!!。色はまたしても青…。

「Sさん、また新しい水着ですね。」
「あらやだ、分かっちゃったの?」
「しかし、今回は、またまたすごいデザインですね!!。上と下が別れちゃってるし…」
「そうなのよ。いつもここにいらっしゃる方の水着を見て、それと同じのを欲しくなって新宿で探したのよ!!。今日は、いないわねえ…。」
「そういうデザインの水着来てる人って、いましたっけ??。」
「あ、いたいた、あの人よ…。」

…と、S婦人の指した先にいた人は、SPEEDOの膝丈までのサメハダ水着。しかも色は黒。…。

「え〜っ!!、あの人ですか?。全然違うじゃないですか??」
「そうかしら??」

…と自分の水着を見て、

「あらやだ、ほんと、全然違うわね…。」

その後も続くS婦人節。すると、今度一緒に大会に出る「関西弁の監視員」が話しかけてきた。

「せんせい、僕、何時くらいに辰巳に行ったらいいんですかねえ?。」
「そうだねえ、お昼くらいには来て欲しいなあ。」
「分かりました。そうしますわ。」

そのやり取りを、じっと見ていたS婦人。するといきなり、関西弁の監視員に…。

「あなた、なまってるわね」
「わかりますぅ??」
「あなた、アメリカ人?」
「え〜〜っ??。そんなん言われたの初めてですわ」
「じゃあ、フランス?」

またまた青の水着だったので、

「Sさん、いつも、青っぽい水着が多いじゃないですか?」
「そうかしら??」
「たまには赤い水着とかどうですか?」
「私ね、昔、25才くらいだったかしら、いや、17歳くらいの時、そうじゃなくて20歳くらいよね。じゃあ10歳??、そんなはずないわよ。やだ、高校生って何才??」
「はっ??、高校生ですか?。16〜18才くらいじゃないですか?」
「じゃあ、13才くらいね。」
「じゃあ13才??。えっ、何がですか?」
「何って、や〜ね〜。メガネよ。メガネかけたのよ。」
「は??。メガネですか?。」
「だって、メガネは顔の一部って言うでしょ。」
「そ、そうですね…。」




★S婦人の事件簿vol.7★
耳栓

本日もS婦人は、ご機嫌でございました。先週のセパレーツ水着は、どうしても泳ぎにくいという事で、今までの水着でいらっしゃいました…。そして、いつものS婦人節が始まった…。

「Sさん、こんにちは。」
「やだ、先生!!。こんにちは…って、朝じゃないの!!。」
「でも、もう、10:00ですけど…」
「ほら、私、しばらく、お習字、休んでたでしょ!!。」
「ああ、風邪でしたもんね。」
「それで、昨日久しぶりに行ったのよ。お習字に…。」
「はぁ…」
「そうしたら、お習字の先生に、なんて言われたと思う??」
「な、なんて言われたんです??」
「風邪ひかれたんですか?。ですって!!、失礼しちゃう!!。」
「えっ!?、え〜〜??」
「人をバカにしてるわよ!!。頭に来ちゃったわよ!!」
「え〜っ!!。だって、風邪だったんですよね…。」
「最近そういう失礼な人が増えたのよね!!。ほんと、ここ最近よ…。」
「ほんとの事じゃ…」

いつものS婦人である…。しばらく話をしながらプールで歩いていると、突然、プールにいた女性を指さし…

「あらやだ、あの人、変なイヤリング。」
「Sさん、あれは耳栓ですよ。」
「耳の中に入っちゃってるじゃないの!!。やだ、おかしい〜!!。ははは〜!!。」
「だから、あれは耳栓ですよ。」
「あれじゃ、まるで耳栓だわ。ははは〜!!。」
「そうですよ!!。だから、耳栓なんですよ。」
「うちの主人も耳栓が欲しいんですって。」
「ご主人、耳が悪いんですか?」
「やだ、も〜、先生も耳栓が欲しいの??。」
「いや、別にボクは欲しくないですけど…。」




★S婦人の事件簿vol.8★
金メダリスト

S婦人はお悩みの様子…。何かを思い出そうとしていた…。
「Sさん、何かお悩みですか?」
「そうそう、あれよ、誰だったかしら?、あの人…」
「だれですか?」
「ほら、オリンピックで金メダルとったじゃない…」

…と、S婦人は、背泳ぎのようなジェスチャー…。

「あ〜!!、背泳ぎなら、鈴木大地じゃないですか?」
「ちがうわ…」
「オリンピックで金メダルだと、岩崎恭子とか…」
「全然違うのよね…」

今度はバットを振るようなジェスチャー…。

「えっ!!、もしかして、野球ですか?」
「誰だったかしたら…オリンピックで金メダル…」
「野球で金メダリストって??誰ですかね??」
「ほら、佐藤さんだったかしら…。」
「佐藤さん??ますます分からないです…」
「"さ"がつくのよ。"さ"が…。誰だったかしら。」
「さ、ですか…?。斉藤とかっていましたっけ?」
「今なんとおっしゃった??」
「斉藤さん??」
「そうだわ!!。思い出した!!。長島さんよ!!。ほら、監督とかしてるでしょ。」
「え〜〜っ!!長島さん??。オリンピックも金メダルも関係ないし、さ、もついてないし…」
「私、見ちゃったのよね。」
「えっ、何を??」
「食べてたのよ。」
「長島さんが、なにか食べてたんですか?」
「やだ、先生、夜だもの、ランチなわけないでしょ!!。ははは〜。」
「ランチなんて言ってないんですけど…。」
「先生、お野菜もちゃんと食べなきゃだめよ。」

結局、なんで長島が出てきたのか??。なんで長島が金メダルなのか、疑問である…。




★S婦人の事件簿vol.9★
みずほ銀行

ある大雨の日の朝、携帯にS婦人から電話が…。
「あのう、起きてますか?」
「おはようございます。その声はSさんですね。」
「おやすみでしたでしょ。」
「もうとっくに起きてますよ。…というより、もうプールに向かってますよ。」
「今日とっても雨が降ってるでしょ。先生、車でしょ。どちらを通られるんですの?」
「ああ、どこかに出てきていただければ、行きますよ。」
「ほら、祖師谷に、みずほ銀行があるでしょ。」
「ああ、ありますね。じゃあ、みずほ銀行の前でいいですか?」
「ちがうのよ、私が使っているのは、成城のみずほ銀行なのよ。」
「は?。じゃあ、成城のみずほ銀行に行けばいいですか?」
「ははは〜。なんで成城なのよ!!。祖師谷でしょ。」
「ええっ!?。じゃあ、祖師谷でいいんですね。」
「だから、私が使っているのは、成城なのよ。先生っておかしな人ね!!。」
「おかしいのは…。それより、祖師谷に行けばいいんですよね。」
「祖師谷のどちらにいらっしゃるの?」
「みずほ銀行ですよね。」
「もーやだ、先生!!。みずほ銀行は、成城なのよ。私が使っているのは!!。」

こんな会話が何度も繰り返され、ついに・・・。

「あのう、もう、祖師谷のみずほ銀行についちゃったんですけど…」
「どうして、みずほ銀行にいらっしゃるの?」
「Sさんをお迎えに来たんですよ。」
「やだ、先生!!。わたしはプールにいるわよ!!」
「え〜??。プ、プールにいるんですか?」
一体何の電話だったのだろうか…。




★S婦人の事件簿vol.10★
泳ぎの見本

「先生、いっぺんクロールやっていただけます?」
「じゃあ、やりますから、水中で見ててくださいね」
ゆっくり分かりやすく泳いで、水から顔を上げると、S婦人が水に潜ったまま、全然違う方向を見ている…。
「Sさん、見てました??」
「先生、どこにいらっしゃったの??。探したわよ」
「探したって…。目の前を泳いでたじゃないですか!」
「たくさん人がいるから、わからなくなっちゃったわ」
「じゃあ、もう一回泳ぎますから、今度は見ていて下さいよ」
そして、もう1度、泳ぐ…。顔を上げると、今度はどこにも姿が見当たらない…。しばらくすると、更衣室から出てくるSさん…。
「あれ??、Sさんどこに行ってたんですか?」
「ロッカーに忘れ物しちゃったから、とりに行ったのよ」
「何をとりに行ってたんですか?」
「それがね、何を忘れたのか忘れちゃったのよ。ははは〜。」




★S婦人の事件簿vol.11★
お休み

12月の暮の夜、1本の電話が…
「起きてますか〜?。」
「あらら、その声はSさんですね。こんばんは。」
「先生、私ね、1月はお休みしなきゃいけないわ。」
「あら、どうされたんですか?」
「ははは、も〜やだ〜、先生。ほら、うちの娘が子供を産んだのよ。」
「え〜、オメデトウございます!!。お孫さんですね。」
「違うのよ。娘から子供が生まれたのよ。」
「娘さんにお子さんができたってことは、お孫さんですよね。」
「も〜や〜ね〜。娘の子供って言ってるでしょ!!。わたしの子供の子供よ。…あら、孫だわ。あらやだ。孫じゃないの。大変だわ!!。」
ガチャン!!。ツーツーツー。

翌日、FAXが…。
「センセイヘ マゴタンジョウ イチガツヤスム」
な、なんだ?この文章は?。なぜ、カタカナ??。文面もまるで電報!!。




★S婦人の事件簿vol.12★


…そんなわけで昨日は、久しぶりのS婦人でした。
「先生、お知らせ見ましたけど、お肩どうされたんです?」
「それが、原因がわからないんですよ…。」
「私もね、痛くなっちゃったのよ。」
…と足を触っている。
「足が痛いんですか?」
「足?、や〜ね〜足なんて痛くないわよ。先生が痛いのは肩なんでしょ!。」
「そ、そうです。僕は肩が痛いんですけど…どこが痛いんですか?」
「ほら、ディズニ−シーに行ったでしょ。」
「はあ…」
「靴はいて歩くでしょ。そうそう、先生の足は何cm?」
「ボクは足が小さいんですよ。24.5cmしかないんです。」
「24cmしかって、おっしゃいますけど、私より大きいわよ!!。ははは〜」
「そ、それより、ディズニーシーにいつ行かれたんですか?」
「あらやだ、そんな昔の話、なんでご存知なのかしら…」
「ご存知って…」
「むかしむかしよ。大むかし!!。も〜、先生は何でもよくご存知ね。先生って東大?」
「東大じゃありませんよ。」

いつものS婦人節は健在でございます…。




★S婦人の事件簿vol.13★
大変なこと

S夫人は3月10日まで「大変な事がある」ということでお休みとなりました…。

「先生、私ね大変な事があるので3月10日までお休みします」
「大変な事ってなんですか?」
「や〜ね〜、そんなに大変な事じゃないわよ」
「え〜っ!!、でも…、大変な事があるからお休みなんですよね。」
「大変大変って、先生どうなさったの?」
「いや、僕はたいへんじゃありませんよ…。」
「無理しない方がいいわよ」
「いや、無理はしない方がって…」
「頑張るのもいいけど、車の運転には気をつけて。」
「は?。く、くるま??、ですか?」
ガチャン!!。ツーツーツー。





★S婦人の事件簿★vol.14
久しぶり

「Sさん、お久しぶりですね。」
「そうね。先生、3週間ぶりね。」
「いや、2週間ぶりですよ。」
「あら、3ヶ月ぶりかしら?」
「いや、だから、2週間ぶりですよ。」
「3年ぶりってことは、ないわよね。」
「だから、2週間ぶりです!!って。」




★S婦人の事件簿★vol.15
血液型

「先生って血液型、何型?。」
「僕はO型です。」
「あら!!、O型なの!!。」
「えっ!?、O型が、なにか…?。」
「O型っていえば、私が高校の時にね、クラスにO型の子がいたのよ。ははは〜。偶然ね!!。」
「ぐ、偶然ですか…??。O型なんて、どこにでもいますけど…。じゃあ、Sさんは何型ですか?。」
「ふふふ…。何型だと思う?。」
「ぼく当てましょうか?。ずばりAB型ですね。」
「違うわよ。O型よ。」
「え〜っ!!。O型なんですか?。」
「そうよ。先生さっき、おっしゃってたじゃない。やだわ〜。もう忘れちゃったの?。」
「いやいや、さっき言ってたO型って言うのは僕の血液型なんで…。」
「ほんと、忘れっぽい人ね。」
「わ、忘れっぽいって…。Sさん、いいですか。ぼくの話をよ〜く聞いてくださいよ。O型は、ぼくの血液型なんですよ。ぼくが聞いているのは…」
「もう、ぼくぼくって、先生もたいへんね。」
「たいへんですよ。ほんと…。」




★S婦人の事件簿★vol.16
自転車

「先生、自転車やさんの木梨さんってご存知?。」
「ええ、知ってますよ。とんねるずの木梨ノリタケの実家ですよね。」
「自転車を売って、ご商売してるのよ。」
「ええ、知ってますよ。」
「あそこのご主人、わたし、昔から知ってるのよ。」
「そうなんですか?」
「木梨さんのお嫁さん、色が白くてとってもきれいな方なのよ。」
「安田成美ですよね。」
「そうそう、安田さんだわ。先生、何で知ってらっしゃるの?」
「そんなの、みんな知ってますよ。」
「そうよね。先生も自転車に乗ってらっしゃるものね!!。」
「いやいや、自転車に乗ることは関係なくて…。」
「私ね、自転車に乗ると、つい右に曲がっちゃうのよね。」
「つい右??ですか…」
「くせよ。くせ。誰にでもあるじゃない、くせって。」
「そんなくせの人いますか??。それに、ついつい右に曲がってたら、行きたいところに行けないじゃないですか?」
「あら。あらやだ。先生!!。そうなのよ!!。先生って、何でもご存知なのね!!。感心しちゃうわ。ははは〜。やだもう…。」
「Sさん、自転車、乗らないほうがいいですよ…。」




★S婦人の事件簿★vol.17
インターネット

「せんせい、私、インターネット始めたのよ。」
「え〜っ!!え〜〜!!、Sさんインターネット見れるんですか?」
「ええ。今朝も見てきたわよ。」
「ええ??、い、いつからインターネット見てるんですか?」
「そうねえ〜、先月くらいかしら。」
「せ、先月〜!?。そ、そうでしたか…。」
「インターネット、とってもきれいね。」
「そ、そうですか…」
「でも、お手入れ大変ね。」
「お手入れ??。そ、そうですね、お手入れしないと…」
「私ね、むらさき色が好きなのよね。」
「そ、そうですか。むらさき??。…しかし、いつからパソコン始めたんですか?。全然知りませんでしたよ。」
「あらやだ、先生!!。パソコンなんて始めませんよ。ああいうのは、苦手よ!!。苦手!!。」
「えっ?、だって、インターネット見てるって…」
「そうよ。先生は、お花とか植木とかお好き?。」
「も、もしかして、ガーデニングですか?」
「そうよ。ガーデニングよ。」
「そうよって…。さっき、インターネットって…。」
「??インタ…何??。もう、先生って英語ペラペラなのね。」






★S婦人の事件簿★vol.18
ソープ選手

アテネ五輪の選考会でソープ選手がフライングで失格し、代表を逃したのですが、2位だった選手が譲った事件がありました…。
「先生、ソープさん、出られるんですってね。」
「Sさん、そのNEWSご存知でしたか?」
「その、何とかさん、すごいお金もらったんですって!!。」
「あ〜!、グレッグ・スティーブンス選手は、テレビ出演料をもらったんですよね。」
「4億円??、あらやだ、3000万だったかしら?」
「いや、そんなすごい金額じゃ…。490万とか言われてますよね。」
「先生、見に行ってらしたんでしょ。」
「いや、僕が見に行ってたのは、日本選手権ですから…」
「チケットまだあるんですの?。」
「いや、もう終わっちゃったので…」
「2枚いただこうかしら…」
「いや、もう終わっちゃったんですよ。」
「ソープさんが出るなら見たいじゃないの。」
「いや、ソープ選手が出るのは、オリンピックなんで…」
「え〜、先生!!、オリンピックに、お出になるの?。」
「いや、僕はオリンピックには出ませんよ!!。」
「楽しみだわ〜。」
「…」

S婦人は、ソープ選手を本当に分かっているのかさえ疑問である・・・。なぜなら、以前に「ソープさんの息子さんの話」を聞いたことがある…。「ソープさんの息子さんって、優秀なんですってね!!。」と言っていた。私もそれにつられて、「そうらしいですね…。」と言ってしまったが…。




★S婦人の事件簿★vol.19
「バタフライの話」

S婦人の最近のお気に入りの泳ぎは、バタフライである…。

「Sさん、今日は何から泳ぎましょうか?」
「先生、バタフライって手はどうするんでしたっけ?」
「バタフライから行きましょう。手はですね…」
「あらやだ、先生、かわいい手ね。」
「そ、そうなんですよ。手が小さいんですよ。」
「あらやだ、足よ、足。」
「あ、足ですか?。そう、足も小さいんですよ…。」
「でも靴、はかれるんでしょ。」
「そりゃ、靴ははきますよ。」
「そんな事より、早く泳ぎましょう!!。」
「は?。早くって、Sさんが色々と話を…」
…と、泳ぎ出したS婦人はクロールでした…。




★S婦人の事件簿★vol.20
お習字

S婦人はお習字が得意。どうも、師範の免許があるらしい…。その話に持って行こうとしても、必ず、話の方向が変わってしまうので、結局分からずじまいだが…。

「先生って、字、お上手よね。」
「そうですか。ありがとうございます。でも独学なんですよ。」
「空海もお上手よね。」
「く、空海??。」
「空海が最澄に渡した手紙って、お読みになったでしょ。」
「え〜??。空海が最澄に??。そんな手紙読んだ事ありませんよ。」
「ははは〜。あれっておかしいわよね。」
「そ、そんなに面白い手紙なんですか?」
「思い出しただけで笑っちゃうわ〜。ははは〜。」
「でも、漢字だらけですよね。だいたい、昔の漢字って読めるんですか?」
「先生、やだも〜。なんて書いてあるのかは、わかんないわよ〜。だって、知らない字ばっかりよ〜。」
「は〜??。なんて書いてあるのかわかんないんですよね?。」
「ほんと、空海って面白い人ね。」
「そうそう、Sさんは、お習字を教えてらっしゃるんですか?」
「やだ、先生〜。私は空海じゃないのよ!!。ははは〜。」
また今日もわからなかった…。




★S婦人の事件簿★vol.21
Sの字

S婦人は最近、水泳の本を買ったらしい…
「先生、つかぬ事お伺いしますけど」
「はい、なんでしょう?」
「Sの字ってなんですか?」
「Sの字ですか。手のかきを、アルファベットのSのようにかくので、そう言われてるんですよ。」
「先生やってみてくださる?」
「はい。じゃあ潜って見ていて下さいね。」
私が泳いでいるところを潜って見ているS婦人。
「はは〜ん。なるほど…」
「わかります?」
「確かにハの字だったわね。」
「ハ、ハの字??。違いますよ。Sの字ですよ!!。」
「ハって感じよね…。なるほどね…。」




★S婦人の事件簿★vol.22
橋爪さん

以前にS婦人と「古橋さんと、橋爪さん」の話になった事があった。その時に、橋爪さんに憧れていたと言っていた…

「Sさん、僕、この前あるPARTYに出たんですけど、そこで、あの古橋さんとライバルだった橋爪四郎さんにお会いしたんですよ。」
「あら、そうでしたの。」
「橋爪さんって、たぶん今は70才くらいだと思うんですけど、背が高くて、とってもハンサムでステキな人でしたよ。」
「私もお会いしましたのよ。」
「えっ!?、Sさんも橋爪さんに会った事があるんですか?。」
「よくお会いしますよ。」
「えっ〜!!。そうなんですか!!。いつお会いしたんですか?」
「ついさっき。」
「ついさっき!?。ど、どこで…??」
「その辺で…。いや、あの辺だったかしら。」
「そ、その辺?」
「だって、橋爪さんでしょ。あらやだ、あの方、橋爪さんじゃなかったかしら…。」
「そ、その人、きっと、橋爪さんじゃないと思いますよ…。」




★S婦人の事件簿★vol.23
ピーン

S婦人は「大発見だわ!!」とか、「ピ〜ンと来た!!」という事を毎回おっしゃっている…。この日も…。

「先生、私ね、この前、150m泳いだのよ。」
「すごいじゃないですか!!。」
「その時にね、ピ〜ンと来たのよね。」
「ピ〜ンと来たんですか?」
「そうなのよ!!。ピ〜ンきたのよ。ピ〜ンと!!。」
「何がピ〜んと来たんですか?」
「雨が降りそうだわ!!って。そしたら夜に雨が降ったのよね〜。」
「あ、雨!?。しかも夜!?。そ、それはすごいですね…。」




★S婦人の事件簿★vol.24
マニキュア

S婦人は爪の形がとってもきれい。縦に細長くてカマボコ形!?というか、私がまっ平な爪なので、とってもいい形をしているなあ…。…と思ったら、妙な感じが…。よく見ると、左手の人差し指の爪だけにマニキュアがついていた…。

「ちょっと、Sさん、左手見せていただけますか?」
「あら、どうなさったの?」
「なんで、人差し指だけ、マニキュアが塗ってあるんですか?」
「あらやだ、ほんとだわ。何でかしら?」
「え〜!?。何でかしらって、ご自分で塗られたんですよね。」
「いいえ。私は塗りませんよ。」
「じゃあなんで…」
「上から落ちてきたのかしら」
「う、上から??。マニキュアが??」
「そうだわきっと。誰が落としたのかしら…」




★S婦人の事件簿★vol.25
むすめ

S婦人には、ふたりの娘がいる。
「先生、うちの娘ね、結構もらってるらしいのよ。」
…と、指でお金のサイン。
「お、お金ですか、そうなんですか…。」
「なんだかね、小泉さんと会ってるらしいわよ。」
「こ、小泉さん!?。小泉総理ですか?」
「そう。小泉さんよ。」
「娘さん、一体、何の仕事してるんですか?」
「あら?。なんだったかしら??。え〜と、え〜と…。」
「お金もすごくて、小泉さんに会うなんて何の仕事か興味ありますね…。」
「やくざ…だったかしら…。」
「や、やくざ??。そ、それは違うんじゃないですか?」
「やくざ、やくざ…、そうそう!!。やくざいしよ!!。薬剤師!!。」
「でも、なんで薬剤師が小泉さんに…!?」




★S婦人の事件簿★vol.26
バタフライ

S婦人はバタフライが大好きである。
「先生、私、今日は、バタフライばっかりするわ。」
「じゃあ、そうしましょう!!。」
「先生、泳いでくださる?」
「はい、じゃあよく見ていて下さいね。」
水に潜って見ているS婦人。…んん??、なんだか水中で、しゃべっているみたい…。
「はは〜ん。」
「Sさん、何か、水の中でしゃべってましたか?」
「あらやだ、先生聞こえたの??」
「いや、全然聞こえませんけど。でもしゃべってるように見えたので…。」
「地獄耳ね。」
「いや、だから、何にも聞こえませんよ。だいいち、水中はしゃべっても聞こえませんよ。」
「もう分かったわ。そのとおり。新宿よ。」
「はぁ〜??。新宿って何ですか?」
「もう、聞いてたくせに。とぼけちゃって。」




★S婦人の事件簿★vol.27
お休みの連絡

本日、S婦人は、お休みでした。その事についてのFAXが先週届きました。その全文を…。
「あらい先生お元気ですか。 私は、このたびお休みすることになりました。 追伸、7月14日」
・・・この日本語おかしいと思います…。しかも、お休みする日が追伸になっている…。




★S婦人の事件簿★vol.28
みどりさん

以前の話です…。プールに来た、中山みどりさんを見て…。
「あの方、先生と泳いでらっしゃる方よね。」
「ああ、みどりさんですね。」
「みどりさん??。違うわよ。ピンクさんよ。」
「いやいや、キャップはピンクですけど、名前がみどりさんなんですよ。」
「おかしいわね〜。ピンクにしか見えないわ〜。」
「だから、名前がみどりさんなんですよ。帽子は確かにピンクですよ。」
「あの方、本当にみどりさん??」
「そうですよ。みどりさんですよ!!。」
「やっぱりおかしいわ〜。ピンクにしか見えないのよね…。」




★S婦人の事件簿★vol.29
オリンピック

S婦人は、8月はオリンピックに夢中だったとのことです…。
「先生、オリンピック、ご覧になりました?」
「ええ、結局、全部リアルタイムで見てしまったんで、寝不足でしたよ!!」
「ほら、あの、橋の欄干につかまってた人、川に落ちちゃったじゃない。」
「か、川??、ですか・・・?」
「そう、ドボン!!って。」
「ど、ドボン??、・・・」
「あの人、あの後どうなっちゃったのかしら…」
「Sさん、あのう、それって、オリンピックですか?」
「オリンピックよ。やってたじゃない!!。アテネ?でしょ。」
一体、何の競技だったのか…。




★S婦人の事件簿★vol.30
8月

S婦人はお習字の師範の資格を持っている。…と以前に聞いた。個展もしたことがあると言っていたはず…。
「先生、私ね、お習字始めるのよ。」
「あれ??。お習字やってましたよね。」
「8月から始めるのよ。」
「は、8月って、来年ですか?。」
「やだも〜、今年よ。決めたら早いわよ。」
「でも、もう9月ですけど…。」
「えっ??、9月??。やだ、過ぎちゃったわ。大変だわ。」




★S婦人の事件簿★vol.31
ピアソル

S婦人は、何度説明しても「ピアソル」を、「ピクルス」だと思っている…。
「先生、ピクルスさんは、いかがでした?」
「ピクルスじゃなくて、ピアソルですよ。」
「ピクルスさんなんて、おかしな名前ね〜。食べものみたい。ははは〜。」
「いや、だからピアソルですよ。」
「ハンバーガー、お好きなのかしら?」
「いや、どうでしょうね〜?」
「あらやだ、ハンバーガー屋さんにお勤めなの?」
「えっ??誰がですか?。」
「ピクルスさん!!」
「あ、あのう、何度も言うようですけど、ピアソルなんですけど…」




★S婦人の事件簿★vol.32
うどん

「先生、お昼はおうどん召し上がるの?」
「えっ、うどんですか?。食べることもありますよ。」
「じゃあ、昨日も、おうどん召し上がったの?。」
「いや、昨日は食べてませんけど…。」
「あらやだ、じゃあ今日、召し上がるの?。」
「いや、今日も食べないですけど…。」
「まあ、先生ってほんとに、おうどん好きね〜。」




★S婦人の事件簿★vol.33
こっそり

「先生、バタフライのコツを、こっそり教えていただきたいんですけど。」
「こ、こっそり?、ですか?」
「そう、こっそりね。聞かれたら大変だわ。」
…と、急に声が小さくなるS婦人…。
仕方なく、私も、ひそひそ声で…。
「バタフライのコツはですね〜、まず…」
「…………」
どんどん声が小さくなっていき、口は動いているが、S夫人の声は全く聞こえない…。




★S婦人の事件簿★vol.34
クリスマスパーティー

「先生、クリスマスパーティーは、赤いお洋服を着るの?。」
「ええ、今年は赤がテーマなので、何にしようかと…。」
「私ね、青が好きなのよ。」
「そ、そうでしたね。で、でも、本当はムラサキがお好きなんじゃないですか?。いつも水着もムラサキですし…。」
「ムラサキ??、やだ、私は昔っから、青が好きなのよ。」
「で、でも、今日来てらっしゃる新しい水着もムラサキですよね…」
「あらやだ、ホントだわ〜。ムラサキだわ〜。」




★S婦人の事件簿★vol.35
キャップ

S婦人はいつもムラサキのキャップをかぶっている。そして、そのキャップにはマジックで「S.S」と書かれていた…。S夫人のイニシャルは「K.S」。きっと娘さんのキャップなのかな〜と思っていたが…。
「あのう、ずっと気になってたんですけど、キャップにS.Sって書いてあるじゃないですか。」
「ああこれね。先生ってよく見てるわね〜。感心ね!!。」
「でも、Sさんの名前って、頭文字がKじゃないですか。なんでSなんですか?」
「先生、やだもう〜!!。そうよ、私の名前はKよ。だからK.Sに決まってるじゃないの!!。」
「いや、でも、S.Sになってますよ。」
…と、キャップをとって自分で確認するS婦人…。
「あらやだ、ほんと!!。S.Sになってるわ。誰かしら。KをSにしちゃったの…」




★S婦人の事件簿★vol.36
修正したキャップ

前回、S婦人は、自分のキャップに間違ったイニシャルを書いていたことが判明した。S婦人のイニシャルは「K.S」。しかし書いてあったのは「S.S」。間違いに気づいたS婦人は、翌週書き直してきたのである…。
「あっ、Sさん、キャップのイニシャル書き直したんですね。」
「イニシャルとは??」
「キャップに、ご自分のイニシャルを間違って書いてたじゃないですか!」
「あらやだ、これのことね。」
…と手にしたそのキャップには…。「S」を「×」で消してあった。そこまでは分かるが…。そのすぐ横に、また「S」が書いてあり、それをまた「×」で消して「K」と書いてあった…。




★S婦人の事件簿★vol.37
年賀状

S婦人から年賀状が来た。まあ、よくある印刷屋さんに頼んだもののようで、ニワトリの絵と、「謹賀新年」と書かれてある。それだけでは別に何のおかしなところもない。しかし手書きで書いてあったメッセージにちょっとおかしなところが…。年明け、お会いしたときに聞いてみた…。
「Sさん、年賀状ありがとうございました。」
「あらやだ、先生に送ってないわよ〜。」
「いや来てましたよ。」
「そんなはずないわ。」
「な、何でですか?」
「だって、すぐにお会いできると思ったから、出さないつもりだったのよ〜。」
「あ、あのう、そ、そうだったんですか…。やっぱり…」
その年賀状に書いてあったメッセージとは…。
「今年は出さないつもりですので、お年賀状は失礼します」
と書かれていた…。




★S婦人の事件簿★vol.38
宗派

「先生は、初詣はどこにいらしたの?。」
「僕は毎年、増上寺に行くんですよ。」
「あら、そうでしたの。」
「今年も行きましたけど、にぎやかでしたよ」
「あらやだ、先生は何宗なの?。」
「な、何宗??。いや、うちは、特にないんじゃないですかね〜。」
「私はね…あらやだ、何宗だったかしら…。天台宗かしら?、いや、真言宗だったかしら?、いや、日蓮宗?。先生、私なんでしたっけ??」
「し、知りませんよ。キリスト教じゃないですか?。な〜んて…」
「先生、今なんておっしゃった??。」
「キリスト教…」
「それよそれ。その、なんとか宗よ!!。」
わ、わからない…。




★S婦人の事件簿★vol.39
おしりの穴

S婦人には1歳になるお孫さんがいる。
「先生、こんなこと言っていいのかしら…」
「な、何ですか?」
「うちの孫のことなんです…。」
「ああ。はい。もうすぐ1歳ですよね…」
「あの子の頭がね。とっても小さいのよ。」
「へぇ〜。まあ、でも今どきの子っぽくていいんじゃないですか?」
「違うのよ、頭はこんなに小さいのに、おしりの穴が、こんなに大きいのよ!!」
…と、S婦人が両手で作った穴の大きさは直径10cmくらいの円。
「そ、そんな馬鹿な…」
「ほんとにビックリしちゃったわよ〜」




★S婦人の事件簿★vol.40
着信履歴

ある日、プールから上がると携帯の「着信履歴」に「S婦人」からかかってきていたので、すぐに電話をした…。
「はい。皆さんこんにちは。Sですけど。」
「あの、Sさんですか?。あらいSSのあらいですけど…」
「あらやだ、先生なの??。」
「ええ。でも、今、Sさん、みなさんって言いましたよね…」
「いいえ。言いませんけど。」
「そ、そうですか。まあいいんですけど…。あのう、お電話いただいたみたいで…」
「いいえ。しませんけど…」
「いや確かに、11:30に、着信になっているんですよ。」
「いいえ。私は一切しませんよ。」
「そ、そうですか。まあ別に何でもなければいいんですけど…。」
電話を切ったところ、留守番電話が入っていることに気づいたので聞いてみました…。すると…案の定、留守電にはS婦人の声が…。
「もしもし??聞こえてますか??。あらやだ、さっきから何にも言わないわ〜!!。もしも〜し、聞こえてらっしゃるなら何かおっしゃってくださいね!!。も〜しも〜し!!。お耳が悪いのかしら。お気の毒だわ…。お耳の病院に行かれたらいいわ。ちょっと待って!!。………(ここで何かを取りに行っているみたい)………。はいはい、お待たせしました。03の37××の××××です。あら?。あら?。あらやだ、わたし誰にお電話してたのかしら。誰だったかしら。困ったわ。どなたですか〜??。では…」
…と、ここで留守電できる時間が終わっていた…。一体誰にかけていたのか?。そして、いつまで続いていたのか?…。




★S婦人の事件簿vol.41★
腰痛


「先生、私、最近、腰が痛いのよね〜。」

「あら、腰ですか。それは心配ですね…。」
「昨日の夕方くらいに痛くなったのよ。いや、先週の火曜だったかしら…?」
「先週の火曜!?。全然違うじゃないですか…。まあいいや…。痛いのは腰のどのへんですか?。」
「この辺なのよ…。」
S婦人が痛いところを手でさわる…。
「…Sさん、そ、そこは肩ですね。」
「何で痛いのかしら?」
「原因は分からないんですか?。」
「それが全然分からないのよ…。ぶつけた覚えはあるんだけど…。」
「ぶ、ぶつけたんですか!!。じゃあ、それが原因じゃないですか!?。」




★S婦人の事件簿vol.42★
かもめ


「先生、パスコのパンって好き??」

「パスコのパンですか?。パンのメーカーは、よく分からないですけど…。」
「私、パスコのパンが好きなのよね〜。」
「そ、そうなんですか…。」
「そうそう、この前、お庭でパスコのパンを食べてたら、かもめに食べられちゃったのよ〜。ははは〜。」
「か、かもめに??。し、しかも、お庭で??。」
「そうなのよ!!。それも、よってたかって!!。もう大変だったわよ〜!!。」
「そ、それは、もしかして、カラスじゃないですか…?。」
「もう、違うわよ!!。かもめよ、かもめ!!。カラスなわけないでしょ!!。先生っておかしな人ね〜。」
「そ、そうですね…。」




★S婦人の事件簿vol.43★
スイミングマガジン

「先生、先生がこの前おっしゃってた、雑誌、買って見たわよ!!!。」
「あ〜!。スイミングマガジンですね!!。」
「あの雑誌、面白いわね!!。おかしくておかしくて、笑いが止まらなかったわよ〜。」
「え〜っ!?。そ、そんなに、面白かったですか?。」
「だって、あんなに、お魚が取れるなんて…!!。ほんと、笑っちゃったわよ〜。」
「お、おさかな??。Sさん、いったい何の雑誌買ったんですか?。」
「スイミングマガジンよ!!。」





★S婦人の事件簿vol.44★

お手本

S婦人は、今、バタフライに夢中。何度も何度も「お手本をやって!!」と言う。お手本は何度やってもいいのだが…。

「先生、バタフライ、泳いでくださる?」
「いいですよ。じゃあ、見ていてくださいね」
泳ぎだすと、離れていたはずのS婦人がだんだん近づいてくる…。そして、ついに私の泳いでいる真横に来てしまい、泳いでいる私の腕が、S婦人にぶつかってしまった…。
「あらやだ、ぶつかっちゃったわね。」
「あ、あのう、Sさん、いつも泳ぐたびに、腕がぶつかってしまうので、もう少し離れてみていただけると…。」
「あらやだ、そうね、さっきまで、あそこにいたのに、何でこんなところにいるのかしら??」
そして、再びお手本をやることになり、泳ぎだす…。すると、またしても、離れていたはずのS婦人が、どんどん近づいてきて、またまた、ぶつかってしまった…。
「ま、また、ぶつかっちゃいましたね…。」
「せんせい、もう一回見せてくださる??」




★S婦人の事件簿vol.45★

大会観戦

S婦人は、目の前で一流選手の泳ぎを見てみたいと言う…。
「先生、私、すぐそこで一流選手が泳いでいるところを見てみたいわ〜。」
「そうですか!。絶対いいですよ!!。」
「今度は、いつあるんですの?」
「今度ですか。この前、日本選手権が終わったばかりなので、また来年の4月ですね。」
「そう、じゃあその次は?。」
「そ、その次ですか??。その次は、さ来年の4月ですかね。」
「じゃあ、今度は行けるかどうか分からないから、その次のを1枚お願いします。」




★S婦人の事件簿vol.46★

伊勢丹

「先生、伊勢丹はすごいわよ。」
「そうなんですか。」
「もう、とぼけちゃって。」
「とぼけちゃってって、言われても…。伊勢丹に行くこともあまりないんで…」
「ほら、私はいつも京王に行くでしょ。この前も京王に行ったら、水着がないのよ。」
「そうなんですか。いつも買ってたんですよね。」
「きれいさっぱり、なくなっちゃったのよ。」
「そんなはずは…」
「それでね、伊勢丹で聞いたのよ。」
「い、伊勢丹で!?。」
「先生、そうしたらなんて言われたと思う??。」
「なんて言われたんですか??。」
「それは、売り場が変わっただけじゃないですか?、ですって!!。」
「ぼ、僕もそう思いましたけど…」
「そうしたら本当に、売り場が変わってたのよ!!。」
「で、でしょうね…。」
「伊勢丹はすごいわね。先生もわからないことは伊勢丹で聞くといいわよ!!。」




★S婦人の事件簿vol.47★
お赤飯

S婦人はお赤飯が好きらしい…。
「せんせい、私、お赤飯、大好きでしょ。」
「Sさん、お赤飯、お好きなんですか?。」
「昨日もね、2パック買って帰っちゃたわよ!!。」
「そうなんですか。」
「毎日、お赤飯でもいいわね…。」
「Sさん、もち米がお好きなんですね。」
「もち米!?。私、もち米は嫌いなのよ…。」
「え〜っ!!、お赤飯好きなのに、もち米嫌いなんですか?」
「だって、もち米って、モチモチしてるじゃないの!!。あれが嫌なのよね〜!!。」
「そ、そうですか…。」




★S婦人の事件簿vol.48★
お米
 
お赤飯の話から、お米の話になった…。
「そうそう、この前ね、コシヒカリを、5kg買ったのよ。」
「そうなんですか。」
「私もそうだけど、うちって、お米あんまり食べないでしょ。だから、なかなかお米が減らないのよ。」
「そうなんですか。じゃあ、5kgのお米がどのくらいもつんですか?。」
「そうねえ、10年くらい?」
「じゅ、10年??。そんなバカな…」
「あっ、違うわね。ははは〜。そんなはずないわよ〜。」
「そ、そうですよね。」
「10年なわけないわ…。8年くらいだわ…。」




★S婦人の事件簿vol.49★
かわせみ
 
「先生のはいてらっしゃる水着、素敵ね〜。」
「あ、そうですか。」
「ええ。着物のかすりみたい。」
「これ、カワセミの羽根を研究してできた生地らしいんですよ。」
「はは〜ん、なるほどね〜。」
「ほら、カワセミの羽根って、水に濡れないじゃないですか。」
「そうよね〜。」
「なんか、その濡れない羽根からヒントを得ているらしいんですよ。」
「なるほどね〜。さすがだわね〜。」
「Sさん、カワセミってわかりますよね。」
「も〜やだ、せんせい!!。そのくらい知ってるわよ!!。カエルでしょ!!。」
「・・・・・・・・・・・」




★S婦人の事件簿★vol.50
高層マンション

「せんせい、今度、引っ越しするんですって!!。」
「えっ、誰がですか?。」
「それが大変なのよ!!。」
「えっ??、何が大変なんですか?。」
「今よりも高いところに住むんですって。」
「今よりも??。…というより、誰の話ですか??。」
「今は20階だったかしら…。今度は350階らしいのよ。」
「さ、350階!?。そ、そんなはずないですよ…」
「あらやだ、3階かしら…。いや、そんなことないわ。さん…さん…380階かしら??。3000階って事はないわよね。」
「あ、あの…誰の話かわかりませんが、3000階は、ないと思いますよ…。」




★S婦人の事件簿★vol.51
アイちゃん

「せんせい、アイちゃんすごいわね!!。」
「ああ、柴田アイちゃんですよね。ほんと、本番で力を出せるってすごいですね。」
「お兄さんもがんばってるわよね。」
「お、お兄さん??。あ〜、もしかして、宮里アイちゃんですか??」
「お母さんもご熱心で…。」
「お母さん??。だ、誰??、卓球のアイちゃん??…」
「ほんとに、アイちゃんはすごいわ〜!!。」




★S婦人の事件簿★vol.52


昨夜、大型台風直撃という報道があったものの、たいした雨も風もなかったのでした…。
「Sさん、大騒ぎするほどすごい台風じゃなかったですよね。」
「そうかしら。」
「えっ!?。だって、雨も全然たいした事なかったし、風だって全くなかった…。」
「うちはね、東側がすごかったわ!!。」
「ひ、ひがし側ですか?。」
「そうよ。東よ。あらやだ、西かしら??。やだ、南だわ!!。」
「南ですか?」
「先生、南ってどっち??。」
「南はこっちですよ…」
「こっちかしら?、いや、こっちかしら??」
あちこち指をさしながらグルグル回っているS婦人でした…。




★S婦人の事件簿★vol.53
世界水泳

「Sさん、世界水泳見てますか?。」
「ええ。テレビでやってるわね〜。もう毎日寝不足よ〜。」
「Sさん、夜も見てるんですか?。」
「夜も朝も昼も見てるわよ〜。」
「昼も??…。お昼ってやってましたっけ?。」
「せんせい、お昼は、だいじじゃないの!!。」
「お昼は、だいじ??。」
「そうよ。お昼ごはんは、しっかり食べなきゃダメよ!!。」





★S婦人の事件簿★vol.54
20人前後

「先生、私が今してる習い事があるんですけど…」
「ああ、お習字ですよね。」
「あらやだ、何でご存知なのかしら。先生ってすごいわね〜。」
「いや、以前に何度も聞いてますけど…」
「お習字のメンバーってね、全部で15人いるのよ。」
「あ〜。そうなんですか〜。」
「昨日もね、お習字があったんですけど、そうねえ、20人前後いたかしら…それでね…。」
「えっ!?。ちょっ、ちょっと待ってくださいね。20人前後ですか?」
「そう。昨日は、20人前後いたわね。その中で78歳の人がいるのよ…。」
「あ、あのう、話を折るようで申し訳ないんですけど…。全部で15人なんですよね。」
「そうよ。もう、何度言わせるのよ!!。全員集まると15人になるのよ!!。それでね、78歳の人がね…」
「あ、あのう、何度もすみません、昨日は何人来たんでしたっけ?。」
「もう、ちゃんと聞いてないの?。昨日は、20人前後いたのよ…。」





★S婦人の事件簿★vol.55
78歳の人

「Sさん、すみません。それで、78歳の人のお話って何ですか?。」
「78歳の人が、どうしたんですの?。」
「いや、昨日、78歳の人がいたんですよね。」
「いいえ。いませんけど…。」
「えっ??。さっき、78歳の人がどうって…」
「その方が、どうされたんですか?。」
「いや、こっちが聞きたいんですけど…」





★S婦人の事件簿★vol.56
大会

S婦人は、ずいぶん泳げるようになり、クロールなら続けて50m泳げるようになった。
「先生って、よく大会に出られてるんでしょ。」
「ええ。よく出てますね。」
「私も、大会に出ようかと思うんですけど。」
「え〜!?。大会に!?。いいじゃないですか!!。じゃあ、あとで、タイムを計ってみましょうか」
「今、計ってくださる?」
「今ですか?。いいですよ。じゃあ25m行きましょうか?」
S婦人が泳ぎだす。しかし、一向に急ぐ気配はなく、むしろいつもより、ゆったりとしている…。
「先生、どお?」
「そ、そうですね〜。大会ですから、もうちょっと、急いで泳いだ方がいいんじゃないですか?。」
「何で急ぐのかしら?。」
「えっ!、ま、まあ、決して急がなきゃいけないわけじゃないので、今みたいにゆっくりでもいいと思いますけど…。」
「私って、昔から急ぐのが好きじゃないのよね〜。なんかセカセカしてるのって虫みたいでいやだわ〜。」
「む、虫ですか?」




★S婦人の事件簿★vol.57
記録@
S婦人は、最近、速く泳ぐことに興味を持ちはじめたのか!?。突然、タイムを測ってほしいと言い出した…。
「先生、私、何秒で泳げるかしら??。」
「タイムですか?。そ、そうですね…。じゃあ、一度測ってみましょう!!。」
「行くわよ!!。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいね。あそこに大きな時計があるじゃないですか。あの時計の赤い針が60になったら出ましょう!!。いいですか?」
全然違うところを見ているS婦人…。
「あの赤いかた、ちゃんと測ってくださるかしら…??」
「あ、赤いかた!?。いや、赤いのは針で、測るのは僕ですけど…。」





★S婦人の事件簿★vol.58
記録A
何とか、話が伝わり、ようやくスタート…となるはずが…。
「では、あの時計が60になったらスタートしますから。いいですね。」
「もう、私はいつでもOKよ。あんまり待たせると帰っちゃうわよ〜。ははは〜!!。」
「はい。じゃあ20秒前です!!。」
「あらやだ、もう…行かなきゃ…」
「はい、15秒前…」
…と、突然飛び出すS婦人。15秒も早く出てしまった!!。




★S婦人の事件簿★vol.59
記録B
気を取り直して。うまく取れなかったので、もう一度チャレンジすることに…。
「せんせい、もう!!。今度こそ、ちゃんと時間、測ってね!!。」
「ええ。次こそは、ちゃんと測りますよ。」
「そうだわ。先生が、よーいドンって、言ってくださればいいのよ。」
「そ、そうですね…。じゃあ、私が”よーいドン”と言うので、それでスタートしましょう!!。」
「せんせい。私は、いつでもいいわよ!!。」
「じゃあ、行きますよ!!。10秒前!!。」
「10秒前ね…」
「5秒前!!。」
「5秒前ね…」
「いきますよ〜!!。よ〜い!!」
「ドン!!」
「あ、あれ〜??。Sさんが、ドンって言っちゃだめじゃないですか!!。」
「ははは〜。もう、やだ先生〜!!。」
い、いつになったら測れるのだろうか…。





★S婦人の事件簿★vol.60
アミノ酸
「先生は、いつもビタミン剤を、お飲みになるの?。」
「ビタミン剤!?。そんなの飲みませんよ。ただ、アミノ酸は、練習前に飲んだりしますけど…。」
「はは〜ん。なるほどね〜。」
「そうなんですよ。アミノ酸を飲むと、疲れにくいので、たくさん泳ぐ前なんかに飲みますね〜。」
「それは、黒酢??。」
「いや、だからアミノ酸です。」
「じゃあ、ポン酢??。」
「いや、ポン酢でも、黒酢でもなく、アミノ酸ですよ!!。」
「あらやだ、偶然ね!!。私も飲んでるのよ!!。」
…一体何を飲んでいるのか??…。




★S婦人の事件簿★vol.61
矢島さん

「先生、矢島さん、ご存知??」
「い、いえ、知りませんけど…。」
「あの方ね、私の家の隣の隣に住んでるのよ。」
「ああ、そうなんですか…。」
「そうねえ。小さい頃から知ってるわね。」
「はあ…」
「50mくらい離れてるのよね。いや、500mは、あるかしら?」
「えっ!?、隣の隣なんですよね…。」
「隣の隣って、一体、誰の家のことおっしゃってるの??。」
「や、矢島さんでしたっけ??」
「あらやだ、先生!!。矢島さんをご存知なの??。」
「い、いえ、知りませんけど…。」





★S婦人の事件簿★vol.62
浜松

「先生、私、ず〜っと、世田谷区に住んでるんですよ。」
「ええ、知ってますよ。」
「浜松だと思ってたでしょ。」
「え〜!?。浜松??。」
「ほらやっぱりね!!。」
「いやいや、浜松なんて思ったことないですけど…」
「それにね。浜松からじゃ通えないでしょ!!。ははは〜。」




★S婦人の事件簿★vol.63
坂さん

S婦人のレッスン中、ロス五輪代表の「坂太平」さんが泳いでいました…。
「Sさん、今泳いでる、あの人、元五輪選手なんですよ。」
「えっ!?、どのかた??。」
「今、向こうに向かって泳いでいる、赤いキャップの人ですよ。」
「あ〜、あの太ったかたね!!。」
「え〜っ!?。太ってないですよ。あの人ですよ。やせてますよ。」
「あ〜っ。あの、おじいさんね…」
「いや、そっちじゃなくて、いいですか僕の指の方向を見てくださいよ。」
「あらやだ、あの方ね。ははは〜。ステキな女性ね。」
「え〜!?。男性ですよ。ほらあの人ですよ。赤いキャップですよ。」
「もう、どこにいるのか分からないわ〜!!。」
「一人しか泳いでないじゃないですか…。」





★S婦人の事件簿★vol.64
お休み

「先生、先週は失礼しました」
「えっ!?。先週は、お休みの日ですよ。」
「もう、私ったら、うっかりしてたのよね。」
「あれ??。先週、いらっしゃったんですか?。」
「いいえ。私のほうこそ、お休みだとばっかり思っていたので。」
「ですから、お休みだったんですよ。」
「やだわ〜、もう…。どうしてお休みだと思ってたのかしら??」
「だから、お休みだったんですって…」







★S婦人の事件簿★vol.65
5分

「先生、私ね、このあと、重大なことがあるので、今日は、5分で上がらせていただきます。」
「え〜!?。5分で上がっちゃうんですか?。」
「そうなんですの。5分で…。あっ、違うわ。5分後よ!!。」
「ご、5分後ってことは、もうすぐですよね…」
「もう、やーねー。違うわよ!!。5分前後ってことなのよ…。」
「5分前後!?。5分前は、とっくに過ぎてますけど…??」
「もう、先生もわからない人ね。」
「すみません。ちょっとわかりにくいと言うか…」
「時間になったら、私から言うから、安心して!!。」
「は、はい。じゃあ、教えて下さい…。」
結局、いつもと何も変わることなく、1時間が過ぎた…。




★S婦人の事件簿★vol.66
風邪

「Sさん、風邪の具合はどうですか?」
「あらやだ、先生風邪ひかれたの??」
「い、いえ、私はひいてませんよ。Sさん風邪だったんですよね??。」
「やだ、先生、私、風邪なんてひいてないわよ〜。」
「あれ??。前回、電話で、『風邪ひいて、お薬飲んでるからお休みします』っておっしゃってましたよ。」
「先生ったら、それは、きっと他人の空似ね。」
「えっ、じゃあ、お薬は飲んでないんですか?。」
「風邪薬を飲んでますけど。」
「の、飲んでるじゃないですか…」



★S婦人の事件簿★vol.67
紙袋


世田谷プールは水泳道具以外のものの持込が禁止である。先日、早めに来た私がジャグジーに入っていると、更衣室からS婦人が「手に大きな紙袋を持って」プールサイドに出てきた…。すると、すぐに監視員が呼び止め、何やら話している様子…。とりあえず行ってみようと、近づくと…。
監視員「あのう、その袋の中身は何ですか?。」
S婦人「それは言えませんわ。」
監視員「あ、あのう、見せていただかないと…。」
あらい「ど、どうしました?。」
S婦人「先生、もうやだわ〜。この人がね、何を持ってらっしゃるんですか?って、しつこく聞くのよ!!。」
監視員「あのう、一応、水泳に関係ないものの持込は禁止となっておりますので、中身の確認をさせていただいているんです…。」
S婦人「あのね、何度も言いますけど、これはあらい先生に渡すために持ってきたんですよ!!。」
あらい「Sさん、プールサイドはまずいので、外で受け取りますから…」
監視員「まあ、中身が確認できれば、いいですけど…。」
S婦人「あなたも分からない人ね〜。この中は内緒なのよ!!。ここで見せたら、袋の中がジャムだってことが、先生に分かっちゃうじゃないの!!。」
監視員「ジャ、ジャムですか…」
S婦人「あらやだ。あなた、なんで分かったの!?。あなたすごい人ね。」



★S婦人の事件簿★vol.68
プリン@


「先生、私、ジャムを作るのが得意だと思ってるでしょ。」
「はい。ジャムを作るんですね。」
「ジャムだけじゃないのよ。私が一番得意なのはプリンなのよ。」
「へ〜。Sさん、プリンが得意なんですか!!。」
「もうね、大評判なのよ!!。」
「それはすごい!!。じゃあ、ご近所に配ったりするんですか?。」
「配ったことはないわね〜。」
「じゃあ、ご家族の方から評判がいいんですね!」
「それがね、うちの主人も娘も食べないのよ。」
「え〜!?。じゃあ、誰に大評判なんですか??。」
「あらやだ。誰かしら…」



★S婦人の事件簿★vol.69
プリンA


「先生、プリンの作り方ってご存知?」
「いや、知りませんけど…。」
「もう、何にも知らないのね〜。たまご40個と、牛乳400ccと…。」
「え〜っ!?。た、たまご40個!?。」
「あらやだ。たまご何個だったかしら…。400個かしら?。4000ってことはないわよね…。」



★S婦人の事件簿★vol.70
ホタテ
「先生、私がいつも食べる、おうどんって、ホタテが入ってるじゃない!!。」
「ホ、ホタテが入ってるんですか…。」
「この前ね、またその、おうどんを頼んだら、ホタテが入ってなかったのよね!!。」
「それはいけませんね〜。」
「店長さんに『ホタテが入ってないわよ』って言ったら、なんて言ったと思う?。」
「なんて言われたんですか?。」
「ホタテは、もともと入ってないですよ…ですって!!失礼しちゃうわ!!。」
「えっ!?。だって、いつもの頼んだんですよね。」
「そう。そうなのよ。いつもの天丼!!。」
「て、天丼!?。」



★S婦人の事件簿★vol.71

鬼退治

「先生のお子さん、ずいぶん大きくなったでしょう。」
「ええ。色々としゃべるようになりましたよ。今朝なんか、私
が家を出ようとしたら、『鬼退治に行くの?』と聞くので、『そうだよ』と言うと『きびだんご持った?』なんて言ってましたよ…。」
「ははは〜。やだも〜、私も行ったのよ〜。」
「え〜っ!?。Sさん、鬼退治に行ったんですか?。」
「ははは〜。行っちゃったわよ〜。偶然ね〜!!。」
「お、鬼退治ですよ…?。」



★S婦人の事件簿★vol.72
新宿

「先生、新宿に長〜い階段があるじゃない??」
「新宿の長い階段ですか…。」
「あそこ、なんとかならないかしら?。」
「そ、そんなに長いんですか?。」
「もう大変よ。エスカレーターが横にあるのにエレベーターがないのよね…」
「えっ!?。エスカレーターがあるんですか??。じゃあ、それを使えば…。」
「先生も新宿に行ったら気をつけたほうがいいわね…。」



★S婦人の事件簿★vol.73
野球選手

「先生、クロールって難しいけど、野球選手って、どうしてあんなに遠くまで投げられるのかしら??。」
「や、野球選手??。」
「分かったわ!!。遠くまで投げられるのは、男の人だからだわ。」
「ま、まあ、女性よりは男性の方が筋力もありますからね。」
「女性には無理よね。あっ。でも違うわ。女性でも投げられるわね。」
「あ、あのう、クロールとどういう関係が…?。」
「先生、女性も投げる練習すればいいんじゃないかしら?。」
「そ、そうですね。そうすれば遠くまで投げられますね…。」
「こうしちゃいられないわ。さっそく始めなくちゃ!!。」



★S婦人の事件簿★vol.74
トイレ

S婦人は、お話好き。お話が始まると、止まらない…。先日、私が、どうしてもトイレに行きたくなってしまい…。
「先生、それでね、この前行ったお店がね…」
「あ、あのう、Sさん、すみませんが、ちょっとトイレに行ってきてもいいですか?。」
「あ〜。どうぞ、どうぞ。」
「じゃあ、ちょっとトイレに行ってきますね。」
プールサイドに上がろうとすると…。
「先生、どちらに行かれるの?。」
「あ。トイレですけど…。」
「あ〜。そうですか。どうぞ行ってらしてくださいね。」
「は、はい。では行ってきます…。」
プールサイドに上がり、トイレに向かって歩いていると…。うしろから大きな声が…。
「せんせ〜い!!。どちらに行かれるの〜??」
「あ、あのう…。トイレですよ!!。トイレ!!。」
ようやくトイレに行くことができ、トイレから戻り、プールに入ると…。
「先生、急にいなくなるから、探したわ〜。」
「きゅ、急に!?。あ、あのう、何度もトイレに行くと言ったはずですけど…。」
「どなたに言ったのか知りませんけど、今度は、私に言ってくださいね!!。」
「は、はい…。」




★S婦人の事件簿★vol.75
お休み

色々と事務作業が詰まってか!?、火曜日の夜から原因不明のお腹の激痛に…。そして水曜の朝、熱が38度に…。どうにも身体が動かせないので、やむを得ず、この日のレッスンはお休みさせていただくことに…。皆さんメールにて連絡がすぐにつき、一安心…。さて、残るは強敵「S夫人」のみ…。用件が簡単に伝わることを祈って電話をかけてみました…。

「は〜い。どちら様ですか〜??。」
「おはようございます。あらいSSのあらいです…」
「あらやだ、先生じゃないの!。偶然ね。」
「ぐ、偶然??。何か御用でしたか?。」
「やだも〜。先生の電話を偶然取っちゃったわ〜。」
「あ、あのう、今朝から熱がありまして、申し訳ないんですが、お休みにさせていただきたいと思いまして…。」
「あら。大変!!。お熱はいけませんね。じゃあ来週はお休みね。」
「あ、いや、来週じゃなくて今日なんですよ。」
「今日は大丈夫ですよ!。私は行けますから。」
「いや、僕が行けないんですよ…。」
「あら、先生どうなさったの?。」
「いや、だから、熱が出てしまいまして…。」
「じゃあ、来週はお休みね…。」
「いや、今日です!!。今日…。」
「ははは〜。先生、元気のない声ね。風邪ひかないようにしないと。今、はやってるから…」
「はい。風邪ひかないように気をつけます…。」
話すこと10分…。ようやく用件が伝わり、またまたグッスリ…。たくさん寝たおかげで一日で完全復活しました!!。





★S夫人の事件簿★vol.76
ブルー

「せんせい、前が見えないわ〜。」
「あら。どうしたんですか?。」
「くもっちゃって、くもっちゃって、この世も終わりだわ〜。」
どうやら、ゴーグルがくもっているらしい…。ゴーグルのレンズを見てみると…。
「Sさん、これはくもってるんじゃなくて、傷ついちゃっているので、くもり止めを塗ってもダメですね。」
「じゃあ、先生にゴーグルを一つお願いしようかしら。」
「ああ、いいですよ!。いくつかお勧めのがあるんですけど、何色がいいですか?。」
「そうねえ。こんな色にしようかしら…。」
…と、青い水着を指さす。
「ああ。青ですか?。」
「いいえ。ブルーで。」
「ぶ、ブルー??。つまり青でいいんですよね?。」
「いいえ、ブルーがいいわ!。青はちょっと苦手なのよね〜。」
「ブルーは好きで、青は苦手なんですか?。」
「せんせいだって青よりブルーの方が好きなくせに!。」
「ブルーと青の違いがよく分からないんですけど…。」




★S婦人の事件簿★vol.77
すみません

「せんせい、この前は、すみません。」
「えっ??。いつのことですか?。」
「この前よ!!。この前!!。」
「この前って、先週ですか?。」
「違うわよ。もっともっと前の話よ。」
「え〜っ?。いつのことですか??。」
「もう、せんせいって、けっこう鈍感なのね。」
「えっ?、それって何のことですか?。」
「もう、やーね〜!。何の事って、それはこっちが聞きたいわよ!!。」
「え〜っ!?。いやいや、何が、すみません、なんですか?。」
「先生ったら、どうなさったの?。すみません、だなんて!!。」
「だって、すみませんって言いましたよね?。」
「もう、すみません、すみませんって、そんなに謝られても困るわ〜。」




★S夫人の事件簿★vol.78

同級生


「あの方、いつもお元気ね〜。」
「ああ、あの方ですか?。」
「あの方、おいくつかしら?。」
「確か、78歳とか言ってたような…。」
「あら。じゃあ私を3つしか変わらないのね。」
「え〜っ??、Sさんとはずいぶん年齢が離れてますよ!!。」
「そうかしら?。78歳でしょ…。って言うことは、あの方が小学生の時に私は何歳かしら?。」
「いやいや、今の年齢を比べれば早いと思いますけど…」
「いや違うわ。私が中学生のときに、あの方が高校生になるのかしら?。」
「いやいや、だから、今の年齢で比べれば…。」
「あらやだ。もしかして、同級生??。」
「そ、そんなはずは、ないと思いますよ…。」
「その割には、あの方、ふけてるわね!!。」




★S夫人の事件簿★vol.79
歯みがき


「せんせい、歯みがきって何分くらいします?。」
「歯みがきですか?。1回に5分くらいですかね。」
「私は10分するのよね〜。もう昔っから10分って決めてるのよね。」
「10分もですか!!。長いですね〜。」
「上が5分に、下が5分に、横が5分。」
「よ、横!?…。それに、それだと15分かかりますよね…。」
「あらやだ。違うわ。上が5分で、奥が5分で、手前が5分だったかしら?…」
「奥と手前ですか…?。」
「やだもう、分かんなくなっちゃったわ。下が5分で、中が5分で、後ろが5分だったかしら…」




★S夫人の事件簿★vol.80
1回目のキッ


バタフライの練習がしたいというので、見本を見せながら、ゆっくり分かりやすくバタフライの説明をしている時でした…。
「先生のおっしゃってる1回目のキックというのが分からないんですけど…。」
「あ〜。そうだったんですか!。じゃあ、もっと分かりやすく言いますね。」
色々と小道具を使い、分かりやすく説明をするが…。
「あ〜。なるほど…。3回目のキックって訳ね…。」
「ええっ??。3回目!?。いや、1回目のキックですよ。」
「せんせい、やだもう〜!。それは7回目でしょ!。」
「え〜!?。何で7回目になるんですか?。」
「はじめから、そうおっしゃっていただければいいのに!。」
「じゃ、じゃあ、7回目のキックを打ってから…」
「なるほどね…。」




★S夫人の事件簿★vol.81
すずめ会


「せんせい、あの方、すずめ会の方だわ。」
「す、すずめ会??。」
「間違いないわ。あらやだ。こんなところにもいるのね〜。」
「あのう、すずめ会って何ですか?。」
「あらやだ、あの方も、すずめ会の方じゃないかしら??。」
「な、何なんですか?。すずめ会って??。」
「ちょっと私、知らんぷりしますから…」
「な、何ですか?。すずめ会、って…」




★S夫人の事件簿★vol.82
マニキュア


「せんせい、マニキュアって、塗るといいわね〜」
「Sさんは、マニキュアを塗っているんですか?。」
「せんせい、さすがにマニキュアは塗らないわ〜。」
「えっ??。だってマニキュア塗るといいんですよね?。」
「せんせい、まさかマニキュア塗っていらっしゃるの??。」
「いやいや、私はマニキュアなんて塗ったことありませんよ!。」
「今はそうなのね〜。男の人がマニキュアね〜。」
「いや、だから私はマニキュアなんて塗りませんよ!。」
「ははは〜。ムキになっちゃって!!。」




★S夫人の事件簿★vol.83
ちょっと


「あのう、せんせい。」
「は、はい、何でしょう?。」
「ちょっと、話のコシを折るようで悪いんですけど、私の泳いでいるところを見ていただけますか?。」
「は、はい。あのう、さっきからずっと見てますけど…。」
「ちょっと見ていただきたいのよね〜。」
「いや、だから、さっきから、ずっと見てますよ。」
「もう、やだ〜。ずっとじゃなくて、ちょっと見ていただけます?。」
「ちょ、ちょっとですか?。む、難しいですね…。」
「ちょっとでいいのよ!。ちょっとで!!。」




★S夫人の事件簿★vol.84
娘の相談


「せんせい、うちの娘ったらね。いい年して、最近お仕事がうまくいってなくて、悩んでるんですって。」
「そうなんですか。それは大変ですね。」
「私の耳に届いちゃったのよね〜。」
「そ、そうなんですか?。」
「もう仕事やめたいんですって!。」
「どんな悩みなんですか?」
「そんなの分からないわよ〜。でもねアドバイスしてあげたのよ。」
「どんな悩みか分からないのに、ア、アドバイス??。」
「ビシッと、言ってやったのよ!。」
「ビシッとですか…。」
「あなたね、しっかり栄養つけなさい!。って…。」
「そ、それはすごいアドバイスですね。」
「あの子ね、昔からそうなのよね〜。」




★S夫人の事件簿★vol.85
忘れ物


「せんせい、私、先週忘れ物しちゃったから、受付で言ったら届いてないって…。」
「そ、そうなんですか?。僕は、ここで忘れても、だいたい届いてるんですけどね…。」
「まあ、仕方ないわ〜」
「いったい、何を忘れたんですか?。」
「え〜と、水泳の帽子でしょ、ゴーグルでしょ、水着でしょ、ほら、いつもの青いポーチでしょ、タオルでしょ、それから…」
「ま、まだあるんですか??。」
「小銭いれでしょ。まあこれはなくなってもいいのよね。あとは、カギでしょ、あと、バッグ。」
「え〜!?。バ、バッグ??。もしかして、持ち物全部ですか?」
「ははは〜。やだも〜!!。そうなのよ!!。おうちに帰ったら何にも持ってないのよ!。ははは〜。」




★S夫人の事件簿★vol.86
体重


S夫人は最近体重計を買ったらしい。話を聞くと、今までのは、「針」が動くタイプで、新しいのはデジタルで数字が出るタイプのもののようだ…。
「せんせい、私、新しい体重計を買ってホントによかったわ〜。全然気づかなかったのよね〜。」
「ど、どうしたんですか?。」
「体重を計ったら、430kgもあったのよ!。」
「え〜!?。430kg??。そ、そんなバカな!!。」
「間違いないわよ!!。もうビックリしちゃったわ〜。」
「あ、わかった!。たぶんそれは、43.0kgって出たんだと思いますよ。」
「400kgも太っちゃったのよ。もう全然気がつかなかったわ〜。」
「いや、だから、それは小数点が入っているんですよ…」
「うちの主人なんか毎日会ってるくせに、私が太ったことを一言も言わないのよ!。けっこう見かけじゃわかんないのよね…。」



S夫人の事件簿★vol.87
紀子さま

「Sさん、今朝、紀子さんの赤ちゃん、生まれましたね〜。」
「本当に、ありがとうございます。」
「男の子でしたね!!。」
「何から何まで、ありがとうございます。」
「あ、ありがとうって!?。」
「あの子ね、一人じゃ何にもできないのよね〜。昔っから!!。」
「お、お知り合いですか?。」
「よく食べるし…。」
「よく食べる??。き、紀子さんですよ。ご、ご近所でしたっけ?。」




S夫人の事件簿★vol.88
キラキラ

「先生、バタフライの足をやってくださる??。」
「はい。じゃあ、やりますから見ててくださいね。」
「はは〜ん。なるほどね…。」
「足首がヒラヒラした感じに見えませんでした?。」
「ほんとね〜。キラキラしてたわ〜。」
「キラキラ??。」
「キラキラじゃないわね。ちょっとクルクルって感じね。」
「クルクル??。」
「やーね〜、グルグルじゃないわよ!!。」




S夫人の事件簿★vol.89
6ビート

この月、あらいSSのスクールでは「6ビート」をテーマにしていて、そのことを話すと、ぜひやってみたいということで、この日は6ビートの練習をすることになりました…。
「え〜、じゃあ、今日は6ビートをやってみましょう。」
「はい。お手やわらかにお願いします。」
「クロールは、色々なキックのリズムがあって、Sさんの場合は、いつも2ビートなので、たぶん2ビートがやりやすいリズムだと思うんですが、今日は、あえて6ビートのチャレンジしてみましょう!。」
「なんかワクワクするわね!!。」
「6ビートということは、片手をかく間に3回キックをするということなんです。」
「はは〜ん。」
「Sさんは、片手をかく間に1回だけキックをしてるので、それを3回すると6ビートになるんです。」
「そのビートさんというかたは、どなた??。」
「び、ビートさん??。」
「そのかたは、きっと早起きなのね。」
「は、早起き??。」
「大変だわ〜。私には無理だわ。」
「無理って何がですか??。」




S夫人の事件簿★vol.90
いやらしい人

「あの方、どなたかしら??。」
「どの人ですか?。」
「ほら、あの方よ!!。あのいやらしい人。」
「い、いやらしい人??。どの人ですか?。そんな人います??。」
「ほら、この人よ!!。」
「えっ??、この人ですか??。普通じゃないですか!。」
「あらやだ。この人、いつも裸なのよ!!。気持ち悪い!!。」
「裸って…、水着は着てるし、別に普通だと思うますけど…。」
「あ〜気持ち悪い。や〜ね〜、ああいう人がいるのに、なんで監視員の人は注意しないのかしら??。」




S夫人の事件簿★vol.91
パーポー

「先生、また水着、買っちゃったわ〜。」
「ほんとですね!。そして、またムラサキですね!。」
「ムラサキじゃないわよ。パーポーなのよ。」
「パ、パーポー??。」
「そうなのよ。私もね、ムラサキかと思ったら、こちらのパーポーでよろしいですか?って言われちゃったのよ!!。」
「そ、それは、パープルって言っただと思いますよ。」
「先生って時代遅れなのね。ははは〜。」




S夫人の事件簿★vol.92
森高千里

「Sさん、最近このプールに、森高千里がよく来るんですよ。」
「その森高さんってかた、知らないわ〜。」
「え〜と、江口洋介の奥さんですよ。」
「あ〜、あ〜、あの江口さんね〜。」
「江口洋介は知ってます??。」
「あの離婚ばっかりしてる人でしょ。」
「り、離婚??。江口って、離婚してましたっけ??。」
「もう江口さんは離婚ばっかりよ!!。あきれてものが言えないわ〜。」
「そ、そんなに離婚してましたっけ??。」
「だって、ほら、最初に、あの赤いお嬢さんと離婚したでしょ、それから黄色のお嬢さんと…。」
「赤いお嬢さん!?。黄色のお嬢さん!?…。」
「さすがに青いお嬢さんだけは、江口さんもタジタジだったわね〜。ははは〜。」




S夫人の事件簿★vol.93
ご連絡

「先生とご連絡を取るには、どうしたらいいんでしょう?」
「連絡ですか?。お電話をいただければ…」
「どちらに??」
「ケイタイでも、自宅でも…」
「どうやって??」
「ど、どうやって、って、今までに何度もお電話いただいてますよね…」
「あらやだ、先生、これは、いざって時のためなのよ!!」
「い、いざって時??」
「先生も、いざって時のこと考えなきゃダメよ〜」




S夫人の事件簿★vol.94
車検

S夫人は、車検に車を出すかどうか迷っているらしい…。
「先生、うちの車ね、そろそろ車検なのよ」
「あ〜、そうなんですか」
「けっこう乗ってるから考えちゃうのよね〜」
「えっ、車検は、いくらくらいかかるんですか?」
「そうねえ、70000円だったかしら?。いや15000円だったかしら…。」
「そ、そうですか…。じゃあ、距離は、どのくらい走ってるんですか?。」
「たしか70000kmだったかしら?。いや違うわ15000kmだったかしら…」
「じゃ、じゃあ、何年くらい乗ってるんですか??」
「70000年だわ。いや違うのよ15000年かしら…」




S夫人の事件簿★vol.95
いちごさん

「先生、いちごさん好き?。」
「い、いちごさん!?。いちごですか?。僕はあんまり果物が好きじゃないので…」
「あらやだ、果物じゃないわよ。いちごさんよ!。」
「い、いちごさんって、何ですか?。」
「やだもう!、知ってるくせに!!。」
「し、知りませんよ!!。いちごさんって何なんですか??。」
「とうとう今日なのよ!。待ちに待ったわ〜。」
「な、何が今日なんですか??。」
「もうね、ワクワクしちゃうわぁ〜。こうしちゃいられないわ。今日は、これで失礼します。」
「あ、あれ??。も、もう、帰るんですか?。」
「さようなら〜。」
いちごさんとは一体…!?。また新たな謎が…。




S夫人の事件簿★vol.96

おしり


今月スクールでやっている「おしりの穴を締めて泳ぐ」というのをS夫人にもやっていただこうと…。
「Sさん、今、スクールで、おしりの穴を締めて泳ぐ練習をしているんですが、やってみません??。」
「あら、お尻を締めて大丈夫かしら。」
「大丈夫ですよ!!。」
「大きな声じゃ言えませんけど、そんなことしたら大変だわ!」
「いや、別にお尻を締めるだけですから…」
「私、たまに自転車に乗るんですけど。」
「ええ。自転車に乗っても大丈夫ですよ。」
「来週は温泉に行く予定なんですけど。」
「いやいや。自転車も温泉も大丈夫ですよ。ただお尻を締めて泳ぐだけですから…」
ようやく理解していただき、泳ぎだした…。
「あら、これすごいわね〜。」
「えっ、何がすごいですか?。」
「フワフワするのね。」
「フワフワ??」
「これは、やめられないわ〜。まるでマシュマロね。」
「えっ!?。な、何がマシュマロなんですか?。」
「先生、これはすごいわ〜!!。」




S夫人の事件簿★vol.97
来年


「先生、こんにちは。」
「はい。こんにちは。」
「今年も、あと少しですわね。」
「そうですね。」
「来年は気をつけなきゃダメよ。」
「えっ、何に気をつけるんですか?。」
「今年じゃないんだから。」
「そ、そうですよね。来年に何があるんですか?。」
「やだもう〜!!。私は来年のお話をしてるのよ!。今年のことじゃないわ〜。」
「わ、分かってますよ。…で、来年の何に気をつけるんですか?。」
「先生ったら、去年もそんなこと言ってたわね!」
「???」




S夫人の事件簿★vol.98
外国人


プールに「ST.MERYS」のコーチ、D.ムーディーさんが息子のケリー君と泳ぎに来ていた。
「は〜い!!。アライサン。元気??」
「は〜い!!。Mr.ムーディー。今日はどうしたの?。」
「今日は、クリスマスホリデーで、もう学校は、おやすみ。」
「あ〜、そうなんですか。」
しばらくMr.ムーディーとのやり取りを見ていたS夫人が口を開いた…。
「あなた、外国の人みたいな顔してるわね〜。」
「ハハハ〜!。わたしはカナダ人です!」
「あなた、とても日本人には見えないわね〜。」
「Oh、日本人じゃなくてカナダ人です!。」
「あなた、生まれは九州??。宮崎あたりかしら…」
「ワタシの生まれはバンクーバーで〜す!。日本じゃないですよ。」
「あらやだ、このお坊ちゃんも外国人みたいな顔だわ〜。」




S夫人の事件簿★vol.99
ノロウイルス


先週、先々週とお休みだったS夫人。その理由は、「ノロウイルスにかかってしまったので…」ということでした。年明けはじめてとなったこの日。約1ヶ月ぶりにプールに姿を見せたS夫人であった…。
「先生、こんにちは。」
「Sさん、お久しぶりですね!」
「ホント、久しぶりだわ〜!。」
「もう、お体は大丈夫なんですか?。」
「あらやだ、私のこと?。」
「ええ。ノロウイルスは治ったんですか?。」
「ノロウイルス??。誰が??。」
「Sさんですよ!。先週も先々週もお電話でノロウイルスだって…。」
「私はノロウイスルなんて、かかってませんよ!。」
「あれ??。じゃあなんでお休みだったんですか?。」
「色々とクリスマスとかあったじゃない。もう忙しくって…。」
「ク、クリスマス?!…」




S夫人の事件簿★vol.100
ワイン

「先生は、ワイン飲まれるの?。」
「いや、僕はビールばっかりですね〜。」
「そう。じゃあ、ビール党??」
「そうですね。ビール党です!。」
「私ね、ワイン飲むのよ。うちの主人は焼酎なんですけどね。」
「そうなんですか。」
「もう、もらい物のワインが、たまっちゃって、たまっちゃって…。先生、ワイン飲まれるの?。」
「いいえ。ボクはビールばっかりです…。」
「じゃあ、ビール党??」
「ええ。ビール党です…。」
「私はね、ワインを飲むのよ!!。うちの主人は焼酎なんですけどね。」
「そ、そうなんですか…。」
「もう、もらい物のワインが、たまっちゃって、たまっちゃって…。先生、ワイン飲まれるの?。」
「ぼ、ぼくはビールが好きなもので…。」
「へぇ〜。じゃあ、ビール党??」
「び、ビール党です…。」
しばらく、このくり返しが続き…
「Sさん、ワインはどのくらい飲まれるんですか?。」
「私はね〜。毎日80cc。」
「80cc??。ずいぶん少ないというか、きっちりしてるんですね…。」
「毎日80ccだから、残ったのは冷蔵庫に入れるのよ。」
「飲まれるのは、赤ですか?。白ですか?。」
「私は、黒。」
「く、黒!?。黒なんてあるんですか?。」
「そうなのよ。私は黒ばっかりよ〜!!。」
話をしているうちに、どうやら、S夫人が飲んでいると言っているのは、ワインではなく「黒酢」のようだ…。そういえば以前に黒酢を飲んでいるって聞いたことがあった…。
「も、もしかして、黒酢じゃないですか?。」
「ええそうよ。黒酢よ〜!。」
「ワインは飲まれるんですか?。」
「ワイン??。私は、ワインは一切だめなのよ。ダメダメ…。」




S夫人の事件簿★vol.101
来週


「せんせい!!。先生に、どうしても伺いたいことがあるのよ〜。」
「なんですか?。」
「もうね、どうしてもお聞きしたいことがあるのよ。」
「な、何ですか?。」
「来週、おうかがいしますわ〜。」
「ら、来週??。今日でいいですけど…。」





S夫人の事件簿★vol.101
俳句

「最近、はやってるわね。」
「えっ?、何が、はやってるんですか?。」
「俳句よ!!。俳句…。」
「へ〜、知りませんでした。俳句がはやってるんですか〜??。」
「はやりもはやり。大はやりよ!!。」
「じゃあ、Sさんも俳句を書かれるんですか?。」
「やだ、もう!。俳句を書くのは先生のお母さまでしょ!。」
「ぼ、僕の母ですか??」
「今どき俳句なんて、先生って古風なのね〜!。ははは〜。」





S夫人の事件簿★vol.102
説明

「先生、つかぬことお伺いしますけど。」
「はい。何でしょう?。」
「痩せるには、どのくらい泳げばいいのかしら?。」
「Sさん、それ以上やせる必要ないですよ!。」
「何回泳げばいいのかしら…。」
「まあ、何回というより、ある程度、続けて泳げるようになると…。」
「10回くらいかしら?。」
「10回とかそういうことじゃなくて…」
「行きと帰りだと、どうなのかしら?。」
「行きと帰り??。行きと帰りって…」
「やっぱり行きなのかしら…??。いや、やっぱり帰りだわね。」
「よ、よく意味が分からないんですけど、行きも帰りも大事だと思いますよ…。」
「なるほどね〜。そういうことだったのね。先生の説明ってすごいわ〜。」





S夫人の事件簿★vol.103
人間

「せんせい、人間って、そんなに泳げるものですか?」
「ええっ??。な、何ですか?。いきなり??。」
「本当に、人間って、そんなに泳げるものなんですか?。」
「そんなにって、どのくらいですか?。」
「すごいのね。人間って。」